シグネットリングは最古の指輪と呼ばれ、中世ヨーロッパにおいては王族・貴族の間で印鑑・認印として使われてきました。近代ではその役割が薄れ、富、地位、階級などを象徴するアイコンとして身に着けられるようになりました。今作は、かつては王族や帰属にとって欠かせない存在の指輪であったシグネットリングの歴史の不可さ、そして気品を漂わせるその品格が魅力の指輪となっております。
今作の紋章は、作家であるKENDYのルーツを基に制作されました。彼のルーツは日本神話誕生の地、出雲に所縁があります。彼の祖先の家は現在、出雲市指定文化財(有形文化財・建造物)となっており、今作の紋章は彼自身の家紋に意匠を施したオリジナルの紋章を採用致しました。フォルムにおいては、KENDYがロシアと日本のクォーターという事もあり、北欧デザインと日本デザインの共通点である無駄を省いたシンプルなデザインが特徴となっております。ミニマルなデザインにすることで逆説的に現代の情報過多の世の中に対するアンチテーゼになると共に、本質を大事にしようとする作家自身の哲学が反映されています。
シグネットリングには伝統的に石が用いられることが多く、今作には古来より魔除けの石と呼ばれるオニキスを使用しております。出雲とロシアに所縁のある作家の作品らしく、グローバルな縁結びとなるような「幸福を呼ぶ指輪」となるよう願いが込められています。